特集 生殖医療のファーストライン・セカンドライン―診療ストラテジーと方針変更のタイミング―
不育症
5.血栓性素因
竹下 俊行
1
T. Takeshita
1
1日本医科大学産婦人科(教授)
pp.851-856
発行日 2018年8月1日
Published Date 2018/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000518
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不育症の原因となる血栓性素因には,プロテインC,S欠乏症や凝固第Ⅻ因子欠乏症などの先天的なものや,抗リン脂質抗体症候群に代表される後天的なものがある。不育症における治療不成功の結末は流産,死産しかないため,ファーストライン,セカンドラインという考え方は当てはめにくい。したがって治療の適応ありと判断したら,ファーストライン,セカンドラインの区別なく妊娠中に抗血栓療法を行う。第Ⅻ因子欠乏症では低用量アスピリンの単独療法を行なうことが多いが,その他の血栓性素因では低用量アスピリン+ヘパリン療法を行う。
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