病気のはなし
先天性血栓性素因
森下 英理子
1
1金沢大学大学院医学系研究科病態検査学
pp.230-235
発行日 2009年3月1日
Published Date 2009/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543102384
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サマリー
40歳以前に静脈血栓症を発症し,再発性で,稀な場所に発症し(脳静脈洞血栓,門脈血栓,腸間膜静脈血栓など),習慣性胎児死亡などを認め,家族歴に若年性の血栓症の発現がみられる場合,血栓性素因があることを予測して検査を行う.スクリーニング検査としては,アンチトロンビン(antithrombin,AT),プロテインC(protein C,PC),プロテインS(protein S,PS)活性(あるいは遊離型PS抗原量)を測定し,正常の50%以下に低下していたら先天性欠損症を疑うが,後天性に低下する要因をできる限り除外する必要がある.ワルファリン単独投与をすると皮膚壊死を起こす可能性があるので,ヘパリン併用下にワルファリンを少量から治療域にまで増量していき,治療域で安定した後にヘパリンを中止する.
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