臨床経験
胞状奇胎娩出後の経過非順調型の検討
山本 英子
1
,
新美 薫
2
,
西野 公博
2
E. Yamamoto
1
,
K. Niimi
2
,
K. Nishino
2
1名古屋大学大学院医学系研究科医療行政学
2名古屋大学医学部附属病院産婦人科
pp.799-804
発行日 2018年7月1日
Published Date 2018/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000501
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胞状奇胎後の経過非順調型でも,病変が検出されずhCGが低単位の場合,治療方針の決定が難しい。胞状奇胎後管理あるいは絨毛性腫瘍疑いのために子宮内容除去術後に経過観察を要した177例において,経過非順調型の最終診断を検討した。78例の経過非順調型のうち,15例が自然寛解していた。判別線を超える時期が遅いほど,寛解と奇胎後hCG存続症の割合が増加した。24週時にhCGが0.5mIU/mlに至らず病変を認めない12例では,寛解群(9例)に比べて奇胎後hCG存続症群(3例)で24週時hCGが高く,全胞状奇胎の割合が高かった。寛解時期は28~51週目であった。24週時hCGが0.5mIU/mlに至っていない場合,病理診断やhCG値,次の妊娠希望を考慮して治療方針を決める必要がある。
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