特集 産婦人科における保険診療と自費診療
各論
2.体外受精の保険制度
藤原 敏博
1
T. Fujiwara
1
1フェニックスアートクリニック(院長)
pp.53-58
発行日 2023年1月1日
Published Date 2023/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002432
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
不妊治療,特にその最高次治療である体外受精は,長らく自費診療を基調としていたが,2022年4月より方針の大転換が起こり保険適用化された。高額ゆえに敷居が高いとされてきたが,これにより収入が低い比較的若年層の患者の受診を後押しする契機となることが期待される。一方で,多様な原因から構成されている不妊症は,対応方法も多岐にわたり,基本となる “標準治療” はスペクトラムの広いものとなる。すべての薬剤や医療行為が保険適用にはならず,しかも混合診療は認められないため,現場として混乱を招いているのも事実である。この新しい制度が,患者と医療者の双方にとり真に益をなす制度に,一日も早く成熟していくことが望まれる。
Copyright © 2023, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.