臨床検査フロンティア 検査技術を生かせる新しい職種
体外受精コーディネーター
縄 公美
1
1小野産婦人科宝生不妊センター
pp.532-533
発行日 2003年6月1日
Published Date 2003/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543101443
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はじめに
不妊治療を受ける,または受けようと思っている方々は多かれ少なかれ疑問や不安を抱えています.その疑問や不安は治療のことだけではなく自分自身のこと(夫,両親,親戚,仕事,ご近所,社会,自分の未来像など)であることが多いように思います.ほかの疾患でもそうであるが,不妊治療も“ゴールの見えないマラソンである”とよく喩えられます.ゴールが見えないということはそれだけ不安な要素が多いということ.また治療を続けるうちに患者さんは幾度となく岐路に立たされることがあります.そういう不安に押し潰されそうになったときや判断に迷ったときに相談できる存在の1つが不妊カウンセラー(体外受精コーディネーター)なのです.私はエンブリオロジストですからラボにいることが多く,看護師に比べ患者さん本人と接することは少ないのですが,直接あるいは電話で精子の状態や卵子の発育を伝える際に事務的な対応ではなく心の通った対応をしていきたいと考えカウンセラーの資格を取得しました.
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