症例
2度の腹腔鏡手術により確定診断を得た虫垂杯細胞カルチノイドの1例
舟木 馨
1
,
谷 杏奈
1
,
佐々木 紘子
1
,
辻 義彦
2
,
澤田 勝寛
2
,
松本 真一
3
K. Funaki
1
,
A. Tani
1
,
H. Sasaki
1
,
Y. Tsuji
2
,
K. Sawada
2
,
S. Matsumoto
3
1慈恵会新須磨病院婦人科
2同 外科
3同 放射線科
pp.1489-1495
発行日 2022年11月1日
Published Date 2022/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002381
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症例は57歳。チョコレート囊腫の経過観察中に2.8cm大の左卵巣腫瘤の出現を認めた。腹腔鏡下両側子宮付属器摘出術から試験的腹腔鏡下虫垂切除手術を経て虫垂杯細胞カルチノイド(GCC)の確定診断を得たあと,根治手術を行った。虫垂根部に炎症所見はなく虫垂先端がやや肥厚していたが腫瘤は確認できなかった。女性では虫垂GCCの卵巣転移例は多いが,いまだ術前に正確に診断することは難しい。本症例では卵巣のみに転移を認めており,虫垂から卵巣への転移が初発転移として起こりやすいことを示唆する症例と考える。
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