Japanese
English
臨床報告
急性虫垂炎で発症した虫垂杯細胞カルチノイドの1例
A case of goblet cell carcinoid of the vermiform appendix with acute appendicitis
西野 豪志
1
,
谷田 信行
1
,
大西 一久
1
,
藤島 則明
1
,
浜口 伸正
1
,
黒田 直人
2
Takeshi NISHINO
1
1高知赤十字病院外科
2高知赤十字病院病理診断科
キーワード:
虫垂杯細胞カルチノイド
,
虫垂炎
Keyword:
虫垂杯細胞カルチノイド
,
虫垂炎
pp.839-844
発行日 2011年6月20日
Published Date 2011/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407103607
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要旨
症例は52歳の男性で,右下腹部痛を主訴に当院を受診した.CTで急性虫垂炎と診断し,虫垂切除術を施行した.術後経過は良好で術後6日目に退院したが,病理組織学的検査で虫垂根部から体部にかけて印環細胞類似の腫瘍細胞が胞巣状,散在性に増殖していた.特殊免疫染色の所見から虫垂杯細胞カルチノイドと診断した.腫瘍細胞は漿膜近傍まで浸潤を認め,虫垂根部断端にも浸潤を確認したため,再入院のうえ,開腹結腸右半切除術,リンパ節D2郭清を施行した.病理組織学的検査の結果,腫瘍細胞の残存やリンパ節転移は認めなかった.術後経過は良好で,術後1年の現在,無再発生存中である.虫垂杯細胞カルチノイドはカルチノイド類似像と腺癌類似像を共有する稀な腫瘍であり,予後不良と考えられている.急性虫垂炎で発症することが多く,注意が必要である.
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