Japanese
English
今月の症例
虫垂杯細胞カルチノイドの1例
Goblet Cell Carcinoid of the Appendix, Report of a Case
芦塚 伸也
1
,
星子 新理
1
,
中島 孝治
1
,
早稲田 文子
1
,
稲津 東彦
1
,
北村 和雄
1
,
梅北 佳子
2
,
田中 弘之
2
,
片岡 寛章
2
,
長池 幸樹
3
,
佛坂 正幸
3
,
千々岩 一男
3
Shinya Ashizuka
1
,
Shinri Hoshiko
1
,
Kouji Nakashima
1
,
Ayako Waseda
1
,
Haruhiko Inatsu
1
,
Kazuo Kitamura
1
,
Yoshiko Umekita
2
,
Hiroyuki Tanaka
2
,
Hiroaki Kataoka
2
,
Koki Nagaike
3
,
Masayuki Hotokezaka
3
,
Kazuo Chijiiwa
3
1宮崎大学医学部内科学講座循環体液制御学分野
2宮崎大学医学部病理学講座腫瘍・再生病態学分野
3宮崎大学医学部外科学講座腫瘍機能制御外科学分野
pp.1940-1942
発行日 2009年12月25日
Published Date 2009/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403101810
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〔患者〕 80歳代,男性.繰り返す下痢と嘔吐,下腹部痛にて近医を受診し,CTにて盲腸から回盲部の壁肥厚と回腸終末部の拡張を認め,当科を紹介された.
〔大腸造影所見〕 充盈像では虫垂口付近に陰影欠損を認め,虫垂は描出されなかった(Fig. 1a).圧迫像では虫垂口付近および回盲弁上唇に不整なバリウム斑を認め,回盲弁は緊満しバリウムは回腸へ移行しなかった(Fig. 1b).二重造影では虫垂口付近の粘膜表面は顆粒結節状で,同部から回盲弁上唇にかけて伸展不良所見を認めた.虫垂口付近,回盲部上唇肛門側(Fig. 1c, 矢印)には辺縁不整な小潰瘍が認められた(Fig. 1c, d).
〔下部消化管内視鏡所見〕 回盲弁上唇肛門側に小潰瘍を認めた(Fig. 2a).回盲弁は硬く緊満し,回腸への内視鏡挿入は困難であった(Fig. 2b).虫垂口周囲は結節状で辺縁不整な潰瘍と発赤を伴っていた(Fig. 2c, d).盲腸および回盲弁肛門側の潰瘍部生検より低分化腺癌が検出され,右半結腸切除術およびD3郭清を施行した.
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