特集 子宮体がんup to date
9.MSI-Highと免疫チェックポイント阻害薬(作用機序)
織田 克利
1,2
K. Oda
1,2
1東京大学大学院医学系研究科統合ゲノム学分野
2東京大学医学部附属病院ゲノム診療部
pp.1361-1366
発行日 2022年10月1日
Published Date 2022/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002343
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マイクロサテライト不安定性(MSI-High)はミスマッチ修復遺伝子(MLH1,MSH2,MSH6,PMS2)の機能欠損により生じ,子宮体癌では約17%と報告されている。ミスマッチ修復遺伝子が作用しないと,繰り返し配列の挿入や欠失をはじめ,種々の遺伝子変異が蓄積しやすくなり(Tumor Mutational Burden-High),腫瘍特異抗原(ネオアンチゲン)が多く産生される結果,PD-L1/PD1シグナルによる免疫逃避が起こりやすくなる。本稿では,MSI-High,TMB-Highと免疫チェックポイント阻害薬の関連性について,その機序を中心に解説する。
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