特集 AYA世代の女性ヘルスケア―対応と実際―
Ⅴ.生殖機能維持と保存
3.生殖補助医療による妊孕性の限界と今後の展望
明石 一浩
1
,
宇津野 宏樹
2
,
山田 満稔
1
K. Akashi
1
,
H. Utsuno
2
,
M. Yamada
1
1慶應義塾大学医学部産婦人科学教室
2慶應義塾大学病院臨床検査技術室
pp.1142-1149
発行日 2022年9月30日
Published Date 2022/9/30
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002303
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女性に対する代表的な妊孕性温存療法には,卵子/受精卵(胚)凍結,卵巣組織凍結が挙げられる。卵子/胚凍結は標準治療の位置づけとして確立しつつある一方,卵巣組織凍結は米国臨床腫瘍学会(ASCO)Clinical Practice Guideline 2018年版ではいまだ実験段階の方法としての位置づけとなっており,有効性・安全性に関する科学的エビデンスの蓄積が求められている。妊孕性温存に向けた実験的な試みとして,in vitro maturation(IVM),卵巣組織凍結における卵胞生存率を高める取り組み,人工卵巣,再生医療による卵子作成などの研究が行われている。本稿では,妊孕性温存療法の実態と限界,今後の展望について解説する。
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