特集 AYA世代の女性ヘルスケア―対応と実際―
Ⅴ.生殖機能維持と保存
2.卵巣組織凍結と卵巣組織移植
小田原 圭
1,2
,
洞下 由記
1
,
鈴木 直
1
K. Odawara
1,2
,
Y. Horage
1
,
N. Suzuki
1
1聖マリアンナ医科大学産婦人科学
2昭和大学医学部産婦人科学講座
pp.1133-1141
発行日 2022年9月30日
Published Date 2022/9/30
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002302
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近年,がん患者の生存率は上昇し妊孕性温存療法に注目が集まっている。そのなかでも卵巣組織凍結は短期間で妊孕性を確保可能であり,初経前の患者にとって唯一の妊孕性温存方法となる。卵巣組織凍結-移植後の妊娠率,生児獲得率は十分な成績が見込まれており,今後は周産期予後に関しての調査が待たれている。卵巣組織移植の最大の問題はがん細胞の微小残存病変の再移入となるが,卵巣組織凍結の適応・卵巣組織の凍結方法・卵巣組織の移植方法などについても研究者間で検討がなされている。わが国でも2021年4月から助成とデータの収集を目的とした事業が開始されており,今後卵巣組織凍結が発展していくことが予想される。
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