特集 生殖医療の現在
卵子および卵巣組織の凍結
髙井 泰
1
1埼玉医科大学総合医療センター産婦人科教授
キーワード:
卵子凍結
,
卵巣凍結
,
妊孕性温存
,
癌・生殖医療
Keyword:
卵子凍結
,
卵巣凍結
,
妊孕性温存
,
癌・生殖医療
pp.25-30
発行日 2016年4月20日
Published Date 2016/4/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.34.04_0025-0030
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「はじめに」癌診療と妊孕性温存の両立を目指す「oncofertility(癌・生殖医療)」の一環として,思春期以降の未婚女性では,未受精卵子の採卵・凍結保存が一部の施設で施行されている。しかしながら,卵子の凍結保存には排卵誘発剤による卵巣刺激がほぼ必須であり,これにより悪性腫瘍の治療の遅れが懸念されること,多くとも20個程度の卵子しか得られないことが問題である。一方,卵巣組織の凍結保存は,低侵襲な腹腔鏡下手術を用いて比較的早期に検体が採取できるとともに,思春期以前の女児においても施行可能である。最近では,摘出された卵巣組織内の未成熟卵子を採取し,体外成熟培養(in vitro maturation;IVM)後に凍結保存する方法1),凍結保存された卵巣組織から卵子幹細胞を分離する方法2)3)も試みられている。「KEY WORDS」卵子凍結,卵巣凍結,妊孕性温存,癌・生殖医療
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