特集 いま大きく変わりつつある子宮頸がんの診療
6.早期子宮頸がんに対する妊孕性温存手術
矢幡 秀昭
1
,
奥川 馨
1
,
加藤 聖子
1
H. Yahata
1
,
K. Okugawa
1
,
K. Kato
1
1九州大学医学部婦人科学産科学教室
pp.593-598
発行日 2022年6月1日
Published Date 2022/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000002169
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早期子宮頸癌に対する妊孕性温存手術として子宮頸部摘出術は広く臨床の場に浸透してきており,婦人科腫瘍を扱う産婦人科医にとっては必要な手技になりつつある。一般的には適応は2cm未満であるとガイドラインにも記載されているが,腫瘍径よりも内子宮口との腫瘍までの距離が適応を考えるうえで重要と思われる。また,子宮動脈の温存を行わなければ通常の広汎子宮全摘術の手技を進め,子宮と腟管の吻合および子宮頸管縫縮術のみが通常の手技と異なる点も重要である。また,子宮頸部摘出術に特有の合併症も術前に十分に説明したうえで,早期の不妊治療の介入の必要性なども説明しておくべきである。
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