特集 図解 分子メカニズムから理解する婦人科がんの薬物療法
【総論】
Ⅰ 婦人科における抗悪性腫瘍薬の種類と特徴
11.免疫チェックポイント阻害薬:ペムブロリズマブ,アテゾリズマブ,ニボルマブ,イピリムマブ
中山 健太郎
1
,
山下 瞳
1
,
京 哲
1
K. Nakayama
1
,
H. Yamashita
1
,
S. Kyo
1
1島根大学産婦人科
pp.1300-1307
発行日 2021年11月30日
Published Date 2021/11/30
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001937
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がん免疫療法の進歩は目覚ましいものがあり,現在では手術,化学療法,放射線療法に続く第4のがん治療法として実臨床で頻繁に使用されている。また,「免疫チェックポイント阻害因子の発見とがん治療への応用」の研究業績により,PD-1あるいはCTLA-4の研究を行った京都大学の本庶佑教授と米国のJames P AIIison教授が2018年のノーベル医学生理学賞を同時受賞されたことは記憶に新しい。がん細胞と生体の免疫システムの間にはがん免疫編集という概念が存在し,免疫システムが腫瘍を認識,排除するだけでなく,がん細胞が種々の方法で免疫寛容を誘導して免疫監視機構からエスケープし増殖するという免疫の二面性をもつ。腫瘍増殖抑制という点では,自然免疫や獲得免疫が,がんを非自己と認識し抗腫瘍免疫反応を起こす。そのような免疫応答は免疫チェックポイント阻害薬により増強される。免疫チェックポイント阻害因子は免疫を負に制御する一連の分子で,複数の免疫チェックポイント分子が同定されており,その代表格がPD-1とCTLA-4である。
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