臨床経験
卵巣癌に対するベバシズマブ108例の治療経験
石田 享相
1,2
,
澤田 健二郎
1
,
中塚 えりか
1
,
木瀬 康人
1
,
中川 慧
1
,
瀧内 剛
1
,
三好 愛
1
,
小玉 美智子
1
,
小林 栄仁
1
,
橋本 香映
1
,
上田 豊
1
,
冨松 拓治
1
,
木村 正
1
K. Ishida
1,2
,
K. Sawada
1
,
E. Nakatsuka
1
,
Y. Kise
1
,
S. Nakagawa
1
,
T. Takiuchi
1
,
A. Miyoshi
1
,
M. Kodama
1
,
E. Kobayashi
1
,
E. Hashimoto
1
,
Y. Ueda
1
,
T. Tomimatsu
1
,
T. Kimura
1
1大阪大学大学院医学系研究科産科学婦人科学
2兵庫県立西宮病院産婦人科
pp.1201-1207
発行日 2021年11月1日
Published Date 2021/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001908
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2013年以来,ベバシズマブが進行卵巣癌初回治療および再発卵巣癌治療に用いられているが,わが国の実臨床におけるベバシズマブのリアルデータはまだまだ共有されているとは言いがたい。そこで,2019年までに大阪大学で卵巣癌に対してベバシズマブの投与を行った108例に関して後方視的に解析し,治療結果および有害事象に関して検討した。進行卵巣癌初回治療でベバシズマブを投与した患者では,無病生存期間の中央値が23.7カ月に到達し,40%以上の症例で予定していた維持療法を完遂でき,有効性と安全性が示唆された。再発治療においては,抗がん薬との併用療法で用いられていたが,特にプラチナ抵抗性再発で67%の症例で病勢増悪のため,早期(投与回数の中央値3回)に投与が中止となっており効果は限定的であった。
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