特集 卵巣癌におけるHRDとPARP阻害薬の効果
7.がんにおけるHRDの評価方法
谷川 道洋
1
,
織田 克利
2,3
M. Tanikawa
1
,
K. Oda
2,3
1東京大学医学部産婦人科学教室
2同大学院医学系研究科統合ゲノム学分野
3同医学部附属病院ゲノム診療部
pp.509-516
発行日 2021年5月1日
Published Date 2021/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001719
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がんにおける相同組換え修復欠損(HRD)は,PARP阻害薬の感受性を予測するバイオマーカーであり,新規治療開発に向けて高い関心を集めている。腫瘍組織におけるHRD評価は,PARP阻害薬が関連する臨床試験の設計や,実臨床においてPARP阻害薬を使用する患者を選択するバイオマーカーとして不可欠である。本稿では,BRCA1/2生殖細胞系列バリアントやプラチナ製剤感受性などすでに実臨床において確立されたバイオマーカーに加えて,相同組換え修復関連遺伝子の体細胞変異や,アレイCGH,NGSを利用した「ゲノム瘢痕」アッセイなどのHRDの評価方法を概説し,PARP阻害薬試験における患者の層別化やトランスレーショナルリサーチの意思決定の支援をすることを目的とする。
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