特集 婦人科医が知っておくべきがん遺伝子パネル検査の基礎知識
Ⅱ.がん遺伝子パネル検査の種類と提出時の留意点
3.RNAパネルを有するがん遺伝子パネル検査(Todai OncoPanel)
織田 克利
1,2
K. Oda
1,2
1東京大学大学院医学系研究科統合ゲノム学分野
2同大学医学部附属病院ゲノム診療部
pp.697-702
発行日 2020年7月1日
Published Date 2020/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001325
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様々ながん遺伝子パネル検査が開発されているが,基本的にDNAを試料として用いており,融合遺伝子や異型転写体(特定のエクソンが翻訳されないなど)を検出することは難しい。しかしながら,薬剤の感受性という点で,ALK,ROS1,NTRKといった融合遺伝子に対する分子標的治療薬の治療効果は非常に高い。すなわち,頻度は低いが治療効果が大いに期待できる代表的な変異として,融合遺伝子が挙げられる。また,RNAパネルでは個々の遺伝子発現量の解析に加え,特定の遺伝子群の発現量を通して,疾患感受性や予後予測にも寄与できる可能性がある。本稿では,DNAパネルに加え,RNAパネルを搭載しているTodai OncoPanelの経験も踏まえ,RNA解析の可能性を検討したい。
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