特集 卵巣癌におけるHRDとPARP阻害薬の効果
5.卵巣癌の臨床像とHRD
吉原 弘祐
1
,
榎本 隆之
1
K. Yoshihara
1
,
T. Enomoto
1
1新潟大学大学院医歯学総合研究科産婦人科
pp.495-499
発行日 2021年5月1日
Published Date 2021/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001717
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卵巣癌の分子生物学的特徴は,組織型で大きく異なる。例えば,高異型度漿液性癌ではTP53体細胞病的バリアントを90%以上で認めるのに対し,内膜症関連卵巣癌として知られる明細胞癌や類内膜癌ではARID1AやPIK3CA体細胞病的バリアントを高率に認める。同様に,卵巣癌治療のコンパニオン診断として利用可能になった相同組換え修復欠損(HRD)についても組織型ごとにその頻度が異なる可能性がある。本稿では,組織型に焦点を当てBRCA1/2を含めた相同組換え修復関連遺伝子の病的バリアントの頻度を概説する。
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