特集 卵巣癌におけるHRDとPARP阻害薬の効果
4.殺細胞性化学療法剤の作用機序とDNA修復機構との関連
高松 士朗
1
S. Takamatsu
1
1京都大学医学部婦人科学産科学教室
pp.485-493
発行日 2021年5月1日
Published Date 2021/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001716
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卵巣癌に対する殺細胞性化学療法剤を用いた薬物療法は20年以上前にプラチナ製剤とタキサン製剤の併用が標準治療となって以降,現在まで変わっていない。しかし近年,がんのDNA損傷応答機構の異常についての研究が進み,PARP阻害薬をはじめとしたDNA修復機構を標的とした分子標的治療薬や,その治療のためのバイオマーカーが開発され,臨床応用が進むなか,従来からある化学療法剤についてもその役割が見直されてきている。本稿では,卵巣癌において使用される殺細胞性化学療法剤の作用機序について,DNA損傷応答機構(特にDNA複製ストレス)とのかかわりを中心に解説する。
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