Japanese
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特集 生体の修復
総説
バクテリアにおけるDNA修復
DNA-repair in bacteria
賀田 恒夫
1
Tsuneo Kada
1
1国立遺伝学研究所変異遺伝部
pp.70-76
発行日 1977年4月15日
Published Date 1977/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425903171
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はじめに
生体の修復は生体の構成分の種々なレベルで起る。本稿では,数億年といわれる生命の流れの物質的な基礎であるDNA(デオキシリボ核酸)の修復を中心にのべる。DNAは,突然変異を通じて生物進化の"本流"をなす構成分であるとともに,現実の細胞一個体の生死の要(かなめ)でもある。この分野の研究の進歩は最近とくに著しい。その成果の示すところは,個体の生死のみならず,その老化,発がん,突然変異の誘発生物進化などと深い関係を有することが明らかとなっている1〜4)。
DNAの修復に関する研究の現状を限られた紙面で述べることは至難であるが,著者はバクテリアにおけるDNA修復に関する遺伝生化学的研究に従事してきたので,あえて筆を執った次第である。
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