特集 ワクチンの安全性と社会学—HPVワクチンの接種はなぜ広まらないのか?—
Ⅱ.HPVワクチンについて
2.痛みの専門家からみた思春期患者の慢性疼痛への対応
住谷 昌彦
1
M. Sumitani
1
1東京大学医学部附属病院緩和ケア診療部/麻酔科・痛みセンター
pp.293-299
発行日 2021年3月1日
Published Date 2021/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001659
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ワクチンによる感染症予防は社会的利益をもつ医療介入であるが,症状や疾患罹患のない一般市民を対象に接種されるため,各個人が利益を実感しづらく,その副反応に対する認容性は高くない。このためワクチン接種後の副反応は特に慎重な取り扱いが必要であり,その配慮を欠くと医療上のリスク-ベネフィット比を大きく損なうことにつながる。さらに,ワクチン接種の対象が思春期の児童を対象としている場合には,保護者への病態の教育が治療成績の向上に重要な意義をもっている。
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