特集 ワクチンの安全性と社会学—HPVワクチンの接種はなぜ広まらないのか?—
Ⅰ.感染性疾患とワクチンにまつわる諸問題
5.ワクチンの安全性にかかわるWHOの取り組み
-—予防接種ストレス関連反応(ISRR)という概念—
岡部 信彦
1
N. Okabe
1
1川崎市健康安全研究所
pp.281-284
発行日 2021年3月1日
Published Date 2021/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001657
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予防接種の副反応は,ワクチン液そのものによる有害反応として捉えられることが多かったが,予防接種を行うという行為そのものが多彩な症状を誘発する可能性がある。WHOのワクチンの安全性に関する専門家会議(GACVS)では,「予防接種ストレス関連反応(ISRR)」という概念を提唱した。ストレスに対する個人の反応は身体的因子,心理的因子,および社会的因子が複合的に絡み合って生じた結果であり,これを理解しておくことはストレス反応の予防,診断,そして適切に対応をするうえで重要であり安全な予防接種に結びつく,というものである。
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