特集 HPVワクチンを改めて考える―接種勧奨の再開に向けて―
5.HPVワクチンの有効性と安全性
井箟 一彦
1
,
野口 智子
1
,
松川 仁登美
1
,
岩橋 尚幸
1
K. Ino
1
,
T. Noguchi
1
,
H. Matsukawa
1
,
N. Iwahashi
1
1和歌山県立医科大学産科婦人科学教室
pp.969-974
発行日 2018年9月1日
Published Date 2018/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000547
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HPVワクチン接種は,検診と並んで子宮頸がん予防における必須の戦略として世界的に認識されており,諸外国において2000年代半ばから国の公費助成プログラムとして導入されてきた。これらの国々では,ワクチン接種世代におけるターゲットHPVの感染率の劇的な低下,集団免疫効果による非接種者のHPV感染率の低下,接種世代における子宮頸部上皮内高度病変の顕著な低下など,多くの有効性のエビデンスが蓄積されてきた。一方,安全性についても多くの大規模調査が行われ,これまでにワクチン接種により有意に増加する重篤な有害事象は見つかっていない。本稿では,改めてHPVワクチンの有効性と安全性に関する研究結果を確認し,現時点での正しい知見を整理する。
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