特集 産婦人科医が知っておきたい性教育のポイント
2.性感染症の現状と問題点
-5)性器ヘルペス
渡辺 大輔
1
D. Watanabe
1
1愛知医科大学皮膚科(教授)
pp.33-38
発行日 2021年1月1日
Published Date 2021/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001598
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性器ヘルペスは単純ヘルペスウイルス(HSV)の性器感染によって発症する,代表的なウイルス性性感染症の1つである。感染症発症動向調査では,近年横ばい傾向であった定点報告数は2010年以降男女とも増加傾向にある。臨床像は,大陰唇,小陰唇から腟前庭部,会陰部にかけて浅い潰瘍や小水疱が多発する。一般に,初発例に比べ再発例は軽症なことが多い。典型的な症例は臨床診断可能だが,外来ではイムノクロマト法を用いた迅速抗原診断法が可能である。治療は抗ヘルペスウイルス薬の全身投与が基本である。再発を繰り返す例では抑制療法が選択されるが,最近前駆症状時に内服を開始するpatient initiated therapy(PIT)が保険適用となった。
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