特集 産婦人科医が知っておきたい性教育のポイント
2.性感染症の現状と問題点
-3)梅毒
石地 尚興
1
T. Ishiji
1
1東京慈恵会医科大学皮膚科(診療副部長/教授)
pp.19-24
発行日 2021年1月1日
Published Date 2021/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001596
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近年,わが国では梅毒の症例が急増し,外来診療において常に念頭におかなくてはならない疾患となった。診断は病原体診断が一般化されていない現在,血清学的診断が主体となる。血清学的検査は自動化法に切り替わってまだ日が浅いため,結果の解釈に注意が必要である。治療についてはペニシリン内服療法のエビデンスが近年示されており,1期,2期の早期梅毒の症例についてはガイドラインに従った治療を行えばまず問題がない。しかし,ペニシリンアレルギーがある場合や後期梅毒,神経梅毒といった症例についてはまだデータが十分とはいえない。持続型ペニシリンの筋注の導入是非も含めてさらなる検討が必要である。
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