特集 着床前診断—現状と近未来の方向性—
各論
2.染色体異常発生頻度からみた着床前診断の意義
三春 範夫
1
N. Miharu
1
1広島赤十字・原爆病院産婦人科遺伝子診療室
pp.823-827
発行日 2020年8月1日
Published Date 2020/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001357
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近年,世界的に流産防止や妊娠率向上を目指した着床前染色体異数性診断(PGT-A)が臨床応用されており,日本でも臨床研究という形でPGT-Aが開始された。対象は反復体外受精・胚移植(ART)不成功例,習慣流産例(反復流産を含む),染色体構造異常例となっている。現在のところPGT-Aや染色体構造異常保因者に対する着床前遺伝子診断(PGT-SR)の明らかな有効性は示されておらず,これらを臨床応用するにあたっては染色体異常の基本的な発生頻度や特徴に留意し,最近の情報を提供するなど,クライアントの不安に配慮した遺伝カウンセリングが重要となる。
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