特集 婦人科医が知っておくべきがん遺伝子パネル検査の基礎知識
Ⅴ.研究資源としてのがん組織・がんオミックス解析データ
10.がんゲノム医療におけるバイオバンキングの役割
島田 宗昭
1,2
,
荻島 創一
2,3
,
八重樫 伸生
1,2
,
山本 雅之
2,3
M. Shimada
1,2
,
S. Ogishima
2,3
,
N. Yaegashi
1,2
,
M. Yamamoto
2,3
1東北大学大学院医学系研究科婦人科学分野
2東北大学未来型医療創成センター
3東北大学東北メディカル・メガバンク機構
pp.755-759
発行日 2020年7月1日
Published Date 2020/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001332
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近年,がんゲノム医療の実装が進められ,ゲノム・オミックス医療の研究開発推進が不可欠となった。日本を代表する婦人科悪性腫瘍臨床試験グループである婦人科悪性腫瘍研究機構(JGOG),日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG)においてもバイオバンク事業を開始,臨床試験の対象症例の生体試料を用いたいくつかのトランスレーショナルリサーチ(TR)も展開され,婦人科悪性腫瘍における個別化医療の実現が期待されている。
2019年10月には,日本医療研究開発機構(AMED)のゲノム医療実現推進プラットフォーム事業(ゲノム研究プラットフォーム利活用システム)の研究開発課題「ゲノム医療実現推進のためのバイオバンク利活用推進に向けたバイオバンク・ネットワーク構築と運用支援に関する研究開発」により開発され,わが国の3大バイオバンクである ① バイオバンク・ジャパン(BBJ),② 東北メディカル・メガバンク計画(TMM)および ③ ナショナルセンター・バイオバンクネットワーク(NCBN),さらに ④ 中核的な診療機関併設型バイオバンクが協働する「バイオバンク横断検索システム」が構築され,国家規模での生体試料,診療情報の横断的利活用が期待されている。
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