特集 卵巣癌におけるHRDとPARP阻害薬の効果
2.再発卵巣癌・卵管癌・腹膜癌に対する薬物療法
-―治療戦略立案に必要な基本事項―
島田 宗昭
1
,
辻 圭太
1
,
八重樫 伸生
1
M. Shimada
1
,
K. Tsuji
1
,
N. Yaegashi
1
1東北大学医学部産科婦人科
pp.473-478
発行日 2021年5月1日
Published Date 2021/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001714
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進行・再発卵巣癌に対する主たる治療戦略は手術療法とがん薬物療法との集学的治療であり,その開発の経緯は40年以上に及ぶ。プラチナ製剤感受性は再発卵巣癌に対するがん薬物療法の治療戦略を立案する際のキーワードである。しかしながら,近年,血管新生阻害薬,PARP阻害薬,免疫チェックポイント阻害薬などの分子標的治療薬が進行・再発卵巣癌治療に臨床実装され,初回治療では,新たな知見に基づく治療選択を最大限に活用して,根治を目指した可及的腫瘍制御に努めることにより,長期予後の改善が期待されている。一方,再発卵巣癌に対する適切な治療戦略の立案には,分子標的治療薬の再投与,変更,併用,耐性機序など解決すべき課題が山積している。
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