特集 専門医はもういらない? せまりくるAI時代
5.検査データ(AIプロテオミクス)
林 宣宏
1
N. Hayashi
1
1東京工業大学生命理工学院
pp.457-462
発行日 2020年5月1日
Published Date 2020/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001267
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細胞を動かしている多種多様なタンパク質を俯瞰的,かつ,網羅的にみるプロテオミクスは,生体システムの究極のプロファイリング法であるが,これまでは技術的に時間も費用も要したので,その適用対象が研究や一部の高度医療に限られていた。しかし近年,汎用化するための技術が開発されて,新たな分野へのプロテオミクスの展開が始まっている。さらに,① 未知の知識を内包するプロテオミクスのデータがAIの得意とする画像データであること,② 多種多様なメタデータ(そのデータを説明すると考えられる情報)の統合がAIにより可能であることから,近年のAIの能力の向上がプロテオミクスの実用化,社会実装を強力に後押ししている。本稿では,新たなコンセプトによる検査を実現するAIプロテオミクスを説明し,産婦人科での可能性と展望を論説する。
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