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第1土曜特集 質量分析イメージング法を用いた創薬・医学研究――時空間マルチオミクスの力
神経変性疾患のプロテオミクス
Proteomics of neurodegenerative diseases
朴 洪宣
1
Hongsun PARK
1
1ソウル大学校医科大学医学研究院神経科学研究所
キーワード:
神経変性疾患
,
タウ
,
αシヌクレイン
,
質量分析
,
質量分析イメージング
,
バイオマーカー
Keyword:
神経変性疾患
,
タウ
,
αシヌクレイン
,
質量分析
,
質量分析イメージング
,
バイオマーカー
pp.692-698
発行日 2023年12月2日
Published Date 2023/12/2
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28709692
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アルツハイマー病(AD)やパーキンソン病(PD)に代表される神経変性疾患では,神経細胞内にさまざまなタンパク質からなる異常な凝集体の形成と蓄積が認められる.このタンパク質凝集体は神経細胞死を引き起こし,最終的に発症につながると考えられている.しかし,これらのタンパク質からなる凝集体がどのようなメカニズムで形成され,蓄積し,発症に至るのかについてはまだ不明な点が多く,異常タンパク質を同定し,生化学的に疾患発症に至るメカニズムを明らかにすることが重要と考えられている.組織または細胞に特異的なプロテオームを定量的に検討するプロテオミクスは,疾患脳における異常タンパク質の発現を解明するための理想的な技術である.本稿では,異常タンパク質の同定からバイオマーカーの開発まで,神経変性疾患の病態研究において幅広く用いられているプロテオミクスについて,筆者らの研究を含めて総説的に紹介する.
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