特集 オミックスが拓く生殖医学の未来
プロテオミクス(1) プロテオミクスを用いた妊娠成立・維持機構の研究
松尾 光徳
pp.11-17
発行日 2015年3月1日
Published Date 2015/3/1
DOI https://doi.org/10.34449/J0015.22.01_0011-0017
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「Summary」プロテオミクスは蛋白質発現の網羅的・系統的解析の新しい手法として,近年医学研究に用いられるようになっている。生殖医学研究の分野でも徐々に用いられてきており,新たな分子ネットワークの同定に有用である。本稿では,“着床”という生理現象の解明をめざした研究におけるプロテオミクスの有用性を,われわれの研究グループが関わってきた一連の着床研究を例に挙げて紹介する。「はじめに」1個の生物・細胞がもつすべての遺伝子を総じてゲノムと呼ぶのにならい,細胞のもつすべての蛋白質の集合体をプロテオームと呼ぶ。そして個々の蛋白質を対象として研究するのではなく,細胞に含まれるすべての蛋白質動態をできるだけ網羅的にあるいは系統的に解析しようというのが,プロテオーム解析あるいはプロテオミクスといわれる研究手法である。「Key words」2次元電気泳動,質量分析,ハイスループット化,着床,子宮,遺伝子改変マウス,プロゲステロン受容体,コシャペロン
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