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特集 呼吸器疾患におけるプロテオミクス解析の現状と将来
COPDのプロテオミクス解析
Proteomics in COPD
仲村 秀俊
1
,
中村 美穂
2
,
石坂 彰敏
2
Hidetoshi Nakamura
1
,
Miho Nakamura
2
,
Akitoshi Ishizaka
2
1東京電力病院内科
2慶應義塾大学医学部呼吸器内科
1Department of Internal Medicine, Tokyo Electric Power Company Hospital
2Department of Pulmonary Medicine, School of Medicine, Keio University
pp.1311-1316
発行日 2006年12月1日
Published Date 2006/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100502
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はじめに
COPDにおける気道炎症のメカニズムには不明な点が多く,臨床経過と平行するバイオマーカーも明らかとなっていない.さらに,有効な抗炎症薬の開発が待たれる点からも,近年発展しつつあるプロテオミクス解析のCOPDへの応用が期待される.しかしながら,COPD臨床例でプロテオミクス解析を行った論文は現時点での検索では1篇のみであり,動物モデルについても喫煙肺気腫モデルでの報告はない.今後,研究は急速に進展するものと思われるが,研究遂行上の一つの問題は重症COPD患者では気管支肺胞洗浄(bronchoalveolar lavage;BAL)が施行困難な点にある.
本稿ではCOPDに関連するプロテオミクス解析のこれまでの報告について紹介するとともに,BAL施行不能例にも適応可能なマイクロサンプリング法についても言及する.
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