臨床経験
たばこと子宮頸がんの密接な関連
-—出生コホートによる比較—
榊原 敦子
1,2
,
中山 健夫
2
,
上田 豊
3
,
伊藤 ゆり
4
,
内田 博之
5
,
小田切 陽一
6
,
片山 俊郎
7,8
,
樋口 壽宏
9
,
小西 郁生
10
A. Sakakibara
1,2
,
T. Nakayama
2
,
Y. Ueda
3
,
Y. Ito
4
,
H. Uchida
5
,
Y. Odagiri
6
,
T. Katayama
7,8
,
T. Higuchi
9
,
I. Konishi
10
1田附興風会医学研究所北野病院健診部
2京都大学大学院医学研究科社会健康医学系専攻健康情報学
3大阪大学大学院医学系研究科産科学婦人科学教室
4大阪医科大学研究支援センター医療統計室
5城西大学大学院薬学研究科医療栄養学
6山梨県立大学大学院看護学研究科地域看護学
7森ノ宮医療大学保健医療学部臨床工学科
8田附興風会医学研究所北野病院医学研究支援センター品質管理室
9田附興風会医学研究所北野病院産婦人科
10京都医療センター
pp.411-418
発行日 2020年4月1日
Published Date 2020/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001249
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少子高齢化の進む日本において,若年者で子宮頸がんの増加が顕著であるにもかかわらず,予防対策が進んでいない。子宮頸がんは,予防方法(組織型がん検診・HPVワクチン接種プログラム)が確立している。これは,がんとしては稀な特徴である。欧米先進諸国では,子宮頸がんリスク因子の「時代による変化」,「出生コホート(ある一定期間内に生まれた人口集団)の影響」に関する研究が蓄積され,国を挙げて予防対策に取り組み,昨今では,子宮頸がんの撲滅までも視野に入れている。一方,日本では疫学研究の立ち遅れにより,予防対策の重要性が認識されていない。進行した子宮頸がんの治療・再発に伴う女性の悲痛を知るのは,診療に携わってきたわれわれ医療者である。今こそ,子宮頸がんへの予防介入が求められている。
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