急性腎障害(AKI)-概念の確認から、さらなる予後改善を目指して
AKIとCKD 2つの疾患の密接な関連
古市 賢吾
1
,
和田 隆志
1金沢大学附属病院 血液浄化療法部
キーワード:
生物学的マーカー
,
炎症
,
急性腎障害
,
Chemokines
,
慢性腎臓病
,
心腎症候群
Keyword:
Inflammation
,
Biomarkers
,
Chemokines
,
Renal Insufficiency, Chronic
,
Cardio-Renal Syndrome
,
Acute Kidney Injury
pp.350-356
発行日 2012年9月1日
Published Date 2012/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2012335867
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●慢性腎臓病(CKD)の主要な病態の一つである糸球体腎炎においては、臨床病態および病理学的所見とケモカインとの関連が示されている。●CKDおよび急性腎障害(AKI)においてケモカインは腎局所で生じる炎症を制御するとともに、尿バイオマーカーとしても有用である。●腎および多臓器連関をつなぐ機序についてはさまざまなメディエーターや神経、血球細胞などが関与していることが推測されるが、その機序は明確ではない。●AKIとCKDの発症・進展には、それぞれ特異的な機序と同時に両者に共通した機序が存在する。今後この両者の関連がより詳細に解明され、診断・治療に反映されることが期待される。
©Nankodo Co., Ltd., 2012