連載 カラーグラフ
なるほど人体—Human Body World・12
尿をつくるしくみ・3
血管と腎臓の密接な関係
坂井 建雄
1
SAKAI TATSUO
1
1順天堂大学・医学部解剖学第一講座
pp.1062-1065
発行日 1996年12月1日
Published Date 1996/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661905223
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腎臓は左右合わせて300gほど,つまり体重の200分の1ほどの大きさしかありません.この腎臓に送り込まれる血液は,毎分800〜1000mlほど,心臓から拍出される血液の20〜25%にあたります.重さの割合でいうと,腎臓は身体の他の部分に比べて,40〜50倍もの血液を受け取っていることになります.
腎臓の細胞を養う,ただそれだけのためなら,こんなにたくさんの血液は必要ありません.腎臓は,尿を作るという仕事のために,大量の血液を必要としているのです.今回は,この血液が腎臓の中でどのように使われているかというお話,そしてもう1つ,腎臓が大量の血液を安心して受け取れるように,全身の血管にはたらきかけをしている,そのお話をします.
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