特集 日本の周産期事情update—出生コホート研究からわかったこと—Ⅰ
各論
7.妊娠と歯周病
大場 隆
1
,
値賀 さくら
1,2
,
片渕 秀隆
1
T. Ohba
1
,
S. Chiga
1,2
,
H. Katabuchi
1
1熊本大学大学院生命科学研究部産科婦人科学講座
2山鹿市民医療センター産婦人科
pp.47-51
発行日 2020年1月1日
Published Date 2020/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001151
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歯周病(periodontitis)は様々な全身疾患の危険因子であるのに加えて,早産をはじめとした周産期の有害事象の危険因子とされるが,その関連には不明な点が多い。妊婦の歯科健診受診率は公費負担とした場合に約50%で,歯周病の有病率は妊娠初期で約20%,妊娠中期で約50%と妊娠経過とともに増加する。妊娠中の歯周病に対する歯科的介入は歯周状態を改善させるが,治療介入が行われなかった場合でも受診を契機とした歯周状態の改善が期待できる。歯周病に関する疫学研究を質の高いものとするためには歯周病変の評価法を標準化する必要があり,妊娠中の有害事象減少効果のみならず,介入を契機とした母児の生活習慣変容効果も併せて評価すべきである。
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