特集 日本の周産期事情update—出生コホート研究からわかったこと—Ⅰ
各論
8.妊娠高血圧症候群
目時 弘仁
1
H. Metoki
1
1東北医科薬科大学医学部衛生学・公衆衛生学教室
pp.53-57
発行日 2020年1月1日
Published Date 2020/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001152
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妊娠高血圧症候群に伴う合併症は予後不良で,妊娠高血圧症候群の病態把握,リスク把握は重要である。ほかの周産期疾患同様に母児予後を考え,分析・解釈においては,どの因子が曝露因子や交絡因子,中間因子にあたるのかをしっかりと把握する必要がある。妊婦の血圧変化が季節や出産予定月により影響を受け,白衣効果は初経産や妊娠週数により影響を受けることが明らかとなり,家庭血圧は妊婦健診時血圧に比較して児の体重との関連が強いことが明らかとなった。妊娠高血圧症候群のリスクには,双胎妊娠や妊娠棄権中の飲酒・喫煙が関連することが確認された。わが国でも,コホート研究に基づいた良質な観察研究の結果を生かし,介入研究を実施して新規治療の開発につなげる戦略が必要であろう。
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