特集 エビデンスを2型糖尿病臨床にどう生かせばいい?―Evidence Based MedicineをReal Worldへ
糖尿病合併症予防
歯周病
稲垣 幸司
1,2
,
菊池 毅
2
,
三谷 章雄
2
,
成瀬 桂子
3
,
松原 達昭
3
Kouji INAGAKI
1,2
,
Takeshi KIKUCHI
2
,
Akio MITANI
2
,
Keiko NARUSE
3
,
Tatsuaki MATSUBARA
3
1愛知学院大学短期大学部歯科衛生学科
2愛知学院大学歯学部歯周病学講座
3愛知学院大学歯学部内科学講座
キーワード:
歯周病
,
糖尿病
,
歯周治療
,
血糖コントロール
Keyword:
歯周病
,
糖尿病
,
歯周治療
,
血糖コントロール
pp.121-126
発行日 2018年1月1日
Published Date 2018/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika121_121
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Summary
▪歯周炎は,嫌気性細菌の感染による慢性の炎症性疾患であるが,その発症や進行過程には,宿主の感受性・抵抗性だけではなく,遺伝的因子や環境的因子などが大きく関与している.
▪糖尿病は,喫煙とともに歯周病の危険因子であり,また,腎症,網膜症,神経障害,動脈硬化性疾患,認知症などとともに,歯周病は糖尿病の慢性合併症として留意する必要がある.
▪糖尿病患者はより重度の歯周炎を伴うこと,血糖コントロール不良者は,コントロール良好者や非糖尿病者と比較して,歯周炎がより進行していること,一方,歯周治療の介入により,糖尿病の血糖コントロール改善の可能性があることが示唆されている.
▪糖尿病患者は,歯周組織検査を含む口腔全体の歯科検診を定期的に継続することが推奨されている.
© Nankodo Co., Ltd., 2018