診療
平成28年熊本地震における災害時周産期医療の対応
-―熊本地震緊急周産期医療対策プロジェクトとその検証―
坂口 勲
1
,
大場 隆
1
,
片渕 秀隆
1
I. Sakaguchi
1
,
T. Ohba
1
,
H. Katabuchi
1
1熊本大学大学院生命科学研究部産科婦人科学分野
pp.327-333
発行日 2018年3月1日
Published Date 2018/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000374
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
「平成28年熊本地震」は2回の激震とその後1年間の4,200回を超える余震に特徴づけられ,多くの妊婦,褥婦および新生児もまた被災した。今回,発災直後に立ち上げた「熊本地震緊急周産期医療対策プロジェクト」の活動内容について報告する。このプロジェクトは,地震直後から分娩施設が被災し未定となった妊婦の支援や緊急母体搬送システムの構築,避難所・車中泊妊婦への対応,全国から寄せられる人的,物的支援の管理,産褥ケアハウスの設立および医療スタッフの心身ケアを,一元化して経時的に行った。さらに発災1年後に県下の産科婦人科施設を対象とした一斉アンケート調査を行い,地震の周産期医療への影響を検証した。今回のプロジェクトの活動内容は,今後の予期せぬ大規模災害に対する備えとして,多くの医療従事者および行政機関により共有されることを希望する。
Copyright © 2018, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.