症例
子宮筋肥大による大量性器出血をきたした性同一性障害の1例
羽生 裕二
1
,
西脇 哲二
1
,
山縣 麻衣
1
,
高木 亜由美
1
,
岩崎 秀昭
1
,
窪澤 仁
2
Y. Hanyu
1
,
T. Nishiwaki
1
,
M. Yamagata
1
,
A. Takagi
1
,
H. Iwasaki
1
,
H. Kubosawa
2
1千葉市立青葉病院産婦人科
2同 病理科
pp.1175-1179
発行日 2019年8月1日
Published Date 2019/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001012
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生物学的性別が女性で性の自己意識が男性であるFTM性転換者では,アンドロゲンが長期間投与され,様々な症状を呈する可能性がある。症例は48歳,FTM性転換者。30代前半からテストステロン注射剤の連続投与で無月経となった。45歳頃より年に数回の多量性器出血を認め,当院紹介,貧血(Hb 5.7 g/dl),子宮腫大(150×140×97 mm)を認めた。性器出血制御目的に腹式単純子宮全摘+両側付属器切除(ATH+BSO)施行,術後病理組織検査では,子宮筋腫でも子宮腺筋症でもなく,子宮筋肥大と診断された。アンドロゲン投与による子宮筋肥大や性器出血について言及している報告はなく,その病態に対してさらなる考察が必要と考えられる。
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