講座
性器出血と子宮癌
大島 正雄
1
1母性科学研究所
pp.52-56
発行日 1957年7月1日
Published Date 1957/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611201305
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1.血に対する恐怖
自分の血を見て不安と怖れを抱くのは,身を護る本能の現われと云える.同じ出血でも,指先とか,膝頭の様に,出血の模様が仔細にはつきり分る場合は,不安はまだそれ程ではない.所が出血が,どこから,どの程度にどうなつて現われるのか分らぬ場合は,その不安は測り知れないものがある.そういう出血には,喀血,吐血,血便等いろいろあるがとりわけ婦人が神経過敏になるのは性器出血であろう.
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