発行日 2001年3月1日
Published Date 2001/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2001198497
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60歳女.大量出血をきたした十二指腸憩室に対し,保存的に止血後待期手術を施行した.上部消化管造影検査では,下行脚Vater乳頭の口側に2×2.5cm,水平脚の起始部に5×6cmの憩室を認め,内視鏡,血管造影所見とあわせて,同部より出血していたと考えられた.保存的に治癒していたが再出血の恐れもある為,Kocherの授動術を行い,更に十二指腸下行脚内側と膵との間を剥離したところ,乳頭口側と水平脚の憩室のみを切除しAlbert Lembert縫合で閉鎖した.切除した憩室は,固有筋層を認める真性憩室で,粘膜の欠損を認めるが,angiodysplasia等の所見は認められなかった.術後経過は順調で,第22病日に軽快退院した.術後7年の現在,再吐,下血はきたしていない
©Nankodo Co., Ltd., 2001