増刊号 産婦人科医のための緊急対応サバイバルブック
Ⅱ. 婦人科編
❶症状・所見からみた疾患鑑別と病態把握《救急外来》
大量の/持続する不正性器出血の患者が来院!②
川﨑 薫
1
1近畿大学医学部産科婦人科学教室
キーワード:
急性異常子宮出血
,
abnormal uterine bleeding
,
AUB
,
不正性器出血
Keyword:
急性異常子宮出血
,
abnormal uterine bleeding
,
AUB
,
不正性器出血
pp.57-61
発行日 2024年4月20日
Published Date 2024/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409211196
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52歳,主訴は過多月経.最終月経2日目より月経量が多く持続しているため月経14日目に近医産婦人科を受診した.血液検査にてHb 4.5g/dLであり,濃厚赤血球液(RCC)6単位を輸血された.Hb 7.4g/dLまで改善したが出血は持続しており高次施設に紹介となった.超音波断層法にて5cm大の子宮筋腫を認めた.バイタルサインの異常を認めなかったが,血液検査ではHb 7.1g/dL,翌日6.6g/dLと低下がありRCC 4単位を輸血され9.4g/dLまで上昇した.子宮頸部細胞診と内膜吸引組織診にて異常を認めず,MRIでは子宮筋腫の診断であり,子宮筋腫による過多月経と鉄欠乏性貧血と診断した.子宮からの出血は少量となったため退院となった.6か月後再出血を認め,子宮内膜吸引組織診を施行したところendometrioid carcinoma G1との診断であった.画像診断では子宮体がんⅠA期相当であり腹腔鏡下子宮全摘出術,両側付属器切除術を施行した.
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