Japanese
English
症例報告
大量消化管出血をきたした重傷熱傷の1例
A Case of a Patient with Major Burn Accompanied by an Episode of Severe Gastrointestinal Bleeding
工藤 昌一郎
1
,
前川 嘉洋
2
,
林原 利朗
3
Shoichiro KUDO
1
,
Yoshihiro MAEKAWA
2
,
Toshiro HAYASHIBARA
3
1熊本労災病院皮膚科
2国立熊本病院皮膚科
3八代総合病院
1Dapartment of Dermatology, Kumamoto Rosai Hospital
2Department of Dermatology, Kumamoto National Hospital
3Department of Dermatology, Yatsushiro General Hospital
キーワード:
熱傷
,
消化管出血
,
糖尿病
,
Curling's ulcer
Keyword:
熱傷
,
消化管出血
,
糖尿病
,
Curling's ulcer
pp.673-676
発行日 1992年7月1日
Published Date 1992/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900685
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55歳,男性.酔って着衣のまま浴槽に転落し,全身に56%のII-III度熱傷を負った.Baxter法にて輸液療法を行ったが高血糖および血液濃縮が著しく,入院24時間後に左大腿動脈血栓症をきたし,血栓除去術を施行した.その後,インシュリンを使ったが,血糖のコントロールが困難で,高熱が持続し,肺炎や敗血症を併発した.さらに,受傷後14日目に大量の下血を起こし,16時間で約4000mlの出血をみた.直腸鏡等では出血部位を確認できなかったため,右大腿動脈よりセルジンガー法にてカテーテルを挿入し,腹腔動脈,上腸間膜動脈および下腸間膜動脈の造影を行った.その結果,上腸間膜動脈の分枝に造影剤の噴出像がみられ,出血部位は回腸領域と判定された.直ちに,開腹して出血部位を含む回腸切除術を施行した.その後,全身状態の改善に努め,植皮術を繰り返して行い,救命し,退院させることができた.
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