症例
性器出血を繰り返した胃癌の子宮筋腫への転移
中川 江里子
1
,
西崎 孝道
2
,
大石 一人
3
,
戎井 力
4
E. Nakagawa
1
,
T. Nishizaki
2
,
K. Ohishi
3
,
C. Ebisui
4
1大阪赤十字病院産婦人科
2市立吹田市民病院産婦人科
3同 病理診断科
4同 外科
pp.1073-1077
発行日 2019年7月1日
Published Date 2019/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000983
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生殖腺外原発の悪性腫瘍が子宮筋腫核へ転移するのは稀である。性器出血を繰り返し,造影MRI検査が診断の一助となった例を経験した。症例は63歳の閉経後女性。進行胃癌に対し,化学療法施行後,開腹胃全摘術を受けた。経過中に性器出血を認め,造影MRI検査で子宮内腫瘤が不均一な造影効果と壊死所見を呈し,悪性の可能性が示唆され,摘出術を実施した。卵巣と子宮平滑筋腫にがん細胞浸潤を認め,胃癌の転移と診断した。生殖腺外臓器からの転移性子宮腫瘍について,その診断や治療方針は確立していないが,充分な精査と外科的切除が考慮される。
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