連載 Dos&Don'ts婦人科当直の救急診療ガイド・7
[性器出血を伴わないもの]―内性器感染症
若槻 明彦
1
,
渡辺 員支
1
1高知大学医学部生殖・加齢病態学教室(産科婦人科)
pp.1509-1513
発行日 2004年12月10日
Published Date 2004/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100694
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[1] 腟・頸管炎
1. カンジダ腟,頸管炎
[初療のチェックポイント]
カンジダ属による感染症で,腟・頸管炎と外陰炎が合併することが多い1).症状は,腟入口部周辺の強い掻痒感と白色帯下の増加である.腟鏡診では,白色粥状,酒粕状,ヨーグルト状の帯下の増加,腟粘膜の陰唇や外陰皮膚の紅斑,浮腫を認め,掻傷,表皮剥離を認めることもある2).
発症には抗菌薬投与,副腎皮質ホルモン剤投与,免疫抑制剤投与,糖尿病,妊娠などが誘因となることが多い3).
[必要な検査法]
検査法は,鏡検法と培養法が用いられる.鏡検法には,無染色標本,グラム染色標本,パーカーインク染色標本,パパニコロー染色標本などがあり,仮性菌糸,分芽胞を証明する.培養法は,臨床的には簡易培地が用いられ,水野・高田培地などがありCandidaを検出する3).
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