特集 ご存じですか? 産婦人科領域で話題の薬物療法
2.着床能改善を目的とした薬物療法
高村 将司
1
M. Takamura
1
1東京大学医学部附属病院産婦人科(助教)
pp.355-360
発行日 2019年4月1日
Published Date 2019/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000814
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ARTの普及に伴い,よい胚の獲得,選別法の発展を認める一方で,子宮側の要因で妊娠に至らない症例を多く経験する。筋腫,ポリープなど外科的治療によって着床能を改善させる場合もあるが,子宮内膜の菲薄症例や原因不明の反復着床不全(RIF)では,有効な治療法が乏しかった。菲薄症例に対するG-CSF子宮内腔内投与は,有効でないとする報告もあったものの,近年の2つのメタ解析では有効性が報告されている。また,RIFの一部で免疫異常を認め,同患者に対するタクロリムス療法では着床率の著明な改善を認めるが,本報告はまだ新しいことから他施設からの報告が少なく,今後のデータの蓄積が望まれる。
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