特集 ご存じですか? 産婦人科領域で話題の薬物療法
1.早産予防とサプリメント
中井 章人
1
A. Nakai
1
1日本医科大学産婦人科
pp.349-354
発行日 2019年4月1日
Published Date 2019/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000813
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早産全体に占める医学的ハイリスク(頸管短縮,早産既往など)の割合は半数未満で,半数以上は産科合併症に伴う治療早産である。早産はSGA,妊娠高血圧腎症,胎盤早期剝離など治療早産を要する疾患とともに,胎盤関連産科合併症(PMPC)の1つに位置づけられる。
葉酸とマルチビタミンのサプリメントは早産のみならずPMPCの発症を抑え,治療早産を含む早産率を低下させる可能性がある。EPAやDHAも同様に,強い抗炎症作用から早産やPMPCを予防するが,臨床研究の効果はいまだ不安定である。免疫寛容をもたらす腸内細菌叢の破綻が早産に関連することから,probioticsによる予防医学の確立が期待されている。
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