特集 卵巣がん征圧へのマイルストーン
2.卵巣がん初回化学療法に関する臨床試験
恩田 貴志
1
T. Onda
1
1北里大学医学部産婦人科(教授)
pp.249-255
発行日 2019年3月1日
Published Date 2019/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000784
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卵巣癌に対する初回化学療法は,1980年代~1990年代に行われた臨床試験によりパクリタキセルとカルボプラチンの併用療法(TC療法)が標準となった。その後もTC療法に優る治療を求めて数多くの臨床試験が行われ,dose-dense TC療法,腹腔内化学療法などで有望な結果が得られており,これらの治療の有用性に関して検証が行われている。また,近年,種々の機序の分子標的治療薬が婦人科がんにも導入され,単剤あるいは多剤併用で,殺細胞性抗がん剤後の維持療法あるいは併用/維持療法として盛んに有用性が検証されている。一方,高齢化社会を反映して,高齢者に対する化学療法も近年注目されている。これらの注目の臨床試験について概説する。
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