特集 卵巣癌におけるHRDとPARP阻害薬の効果
1.卵巣癌の初回治療時の薬物療法の概説
朝野 拓史
1
,
渡利 英道
1
H. Asano
1
,
H. Watari
1
1北海道大学医学部産婦人科学教室
pp.465-471
発行日 2021年5月1日
Published Date 2021/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000001713
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卵巣癌は,年間罹患数約13,000人,死亡数約5,000人で,婦人科悪性腫瘍のなかで死亡数が最も多い疾患である。早期診断は困難であり,多くの症例が初回治療時に薬物療法を必要としている。現在の標準レジメンはパクリタキセル・カルボプラチン併用療法(TC療法)であり,再発リスクの高いⅢ~Ⅳ期症例ではベバシズマブ(BEV)の併用/維持療法が行われている。さらに,生殖細胞系列あるいは体細胞BRCA1/2遺伝子変異をはじめとする相同組換え修復欠損(HRD)を伴う症例に対するPARP阻害薬を用いた維持療法の有効性が示され,初回治療時からバイオマーカーを用いた治療の個別化が求められつつある。
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